内容説明
ワールド・ミュージック・ブームをへて、さまざまな民族の音をへだてなく聴く「地球の耳」が育ちつつある。ますます狭くなる地球、そして民族問題の激動は、私たちの耳に何をもたらすのだろう。自分の足で地球時代の音をたずね歩きつづけてきた著者の出会いのよろこびに満ちた、「世界の音・民族の音」。
目次
アジア音楽を考える
常春の地・雲南に歌垣を訪ねて
マリン・ロードを南へ
カシミールを越えて―アーリアンの流れ
東西文化の接点タタール
シルクロードの音を訪ねて
クバン・コサック合唱団の魅力
カフカスの人びとと音楽
ヨーロッパ音楽文化の源流
東ヨーロッパのフォークロア〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
64
音楽エッセイ。世界を概観すると、西欧音楽もまた民族音楽であるし、世界のスタンダードでもない。「長い歌」「短い歌」という区別を元にすると、音楽と生活様式とは相関が高く、演歌や民謡にみられる「コブシ」が、全く卑俗なものではなく、つながりをもって海外にも広く分布していることを指摘する。日本で言うと「追分」と「八木節」が典型だが、外山雄三の「管弦楽のためのラプソディ」には両者とも引用されて、好対照として聴けることを思い出した。西欧音楽のフィルターを通さない各地方の音楽のあり方を残すことは世界中の課題だろう。2019/12/27
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