内容説明
北極圏とその周縁の荒涼たる大自然に生きる、エスキモーや北方インディアンの部族に語り継がれた多彩な民話の初のアンソロジー。天地創造、狩りと動物、トリックスターとシャーマン、、災いや愛の物語など、素朴で雄壮な伝承を結集した、北方民話集の決定版。
目次
第1部 困らされたクランベリー仲間―村の生活の物語
第2部 梟が羽を拡げて死ぬ理由と、物事の成り立ち
第3部 際限のない災難、際限のない彷徨い―トリックスターと文化英雄
第4部 強情なアオカケス―動物の物語
第5部 月に連れ去られる―シャーマンの物語
第6部 鞭打ちの精霊と十本足の北極熊―見慣れない、脅かす隣人たち
第7部 ウミスズメが「隠れ上手」を網にかけた日―狩りの物語
第8部 狼の花嫁、星の夫たち―あらゆる種類の結婚の物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れどれ
4
殺人が多すぎる。なにかといえば殺人する。獣も精霊も人も殺す。パッとページ開いたら大体殺すの字が二三ある。ページ数よりおそらく殺の字の方が多い。ようやく慣れてきた頃に「人を見たら殺さずにいられない」という登場人物が出てきたりしてやられた。翻訳文が切れ味鋭く、例によって全文音読したのだが心地いい。いずれの話もエキセントリックでたいへん面白い。2022/08/30
どて
1
ナンセンスなのかあるいは幾らかの真理が奥底に編み込まれているのか。一周まわってサイケデリアすら感じるほど素朴で、これは物語であると大上段に構えて掲載されているのがおかしくなるほど土着的。彼らの生活を肌で感じるには、無機質な教科書の文章を読み込むより効果的。全部読むには精神力が必要なので、面白そうなお話だけつまみ読みしたいところだけど、いつ面白くなるか全く予想がつかないため、切り上げ時も難しい。平易な文章と対照的に読破するには体力と時間が要ります。2013/02/15
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