内容説明
〈クレオール〉とは、植民地の密林から生まれた異種混交的な言語であり、文化である。国境を越え、人種を越え、性差を越えて、虹のように変異する文化の混血主義。世界を旅する気鋭の人類学者が、歴史の彼方に生まれかける〈曙光の思考〉の誕生を宣言する。
目次
1「ネイティヴ」の発明
2 ワイエスの村
3 サウスウェストへの憧憬
4 ファンタジー・ワールドの誕生
5 文化の交差点で
6 異種交配するロシア=ブラジル
7 父を忘却する
8 旅する理論
9 キャリバンからカリブ海へ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
madoka
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友人のススメ。境界の人々の存在定義=混血や難民、土着ではない新たな文化の話と読みといたが正確に読めているかどうか。 現在の住むことには「移動」が含まれるとのこと。車や電車といった移動手段があるからこそ私たちは住む場所を確定できるとか。そしてネイティブとは移動できない人々(現地人)を見下した、移動できる人々(当時の西洋人等)の言葉であるとのこと。しかしバリで出会った彼は一生バリ島を出たくないほど満足していると言い、私たちより幸せに見えた。なぜだろう。2016/01/07
おめるた
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クレオール主義とは言語、民族、国家に対する帰属関係を解除し、複数の言葉の主体的併用を選択し、混血の理念を実践すること。それは批判の集積体。批判的思考。2011/02/08
今を生きる
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文庫版で。場所そのもの、言語、越境行為などの視点で力関係認識や自己確立の様子を見る。ディアスポラが広がる現代の他のところでも応用できそうな見方。 書き言葉の議論や西洋への目線などハイチクレオールのMach-Hommyの態度を結びつけて理解しようとする。2024/01/01