内容説明
在来のハレ・ケニ元論に対し、ハレ・ケ・ケガレの三極構造を提示して学会に論争をまき起こした著者が、民間信仰の構造、通過儀礼におけるハレとケガレ、女性の不浄性と豊饒性など、日本人の生活の深層構造にいどむ野心的な論攷。
目次
第1章 日本民間信仰とその構造
第2章 通過儀礼におけるハレとケガレの観念の分析
第3章 水死体をエビスとして祀る信仰―その意味と解釈
第4章 ハレとケとケガレ
第5章 月経と豊饒
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はおう
1
エポックメイキングだった論稿の初出は1974年。それから10年以上経っての書籍化である。著者の中では最大の被引用論文だろうが自身のケガレに対する考察は進展し続ているという。月経小屋関係もどんどん深めて読んでみたい。…解放新聞の紹介で読んでみたんだけど直接的には被差別民には関係ないような。常民のケガレ感が現代に続く差別を生み出したのかもしれんが元は貴族に端を発するという話もあったり2013/09/01
ahchan_plus
0
細かい実例とともに紹介される日本のケガレの構造。日本人の信仰の形にわかりやすい分析がつけられた感じ。何よりもフィールドワークから得た各地域の目に見える信仰、目に見えない信仰がそれぞれ特徴があってとてもおもしろいし、その中から見える共通性はわくわくする。とてもよかった。2012/07/18