内容説明
万物の父オーディン、雷神トール、豊穣神フレイ、悪神ロキ、世界樹ユグドラシルなどのほか、冥府の女ヴァルキューリ、ドラゴン、巨人、こびと、妖精など、キリスト教以前のヨーロッパを物語る、雄勁な伝承。〈ギリシア神話〉とならぶヨーロッパ文化の〈もう一つの源流〉。
目次
1 神々の到来
2 オーディンの崇拝
3 天空の神
4 大地の神々
5 神々の家族
6 神々の世界
7 キリスト教の到来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絹恵
22
風刺であり寓話であるからこそ窺える思想と、ルーン文字等の写真資料から想像が掻き立てられます。原初巨人ユミルよりロキが廻す生と死の円環から、神々の世界は終わりも始まりも巨人なしでは有り得ません。主神オーディンは、その運命から邪神と言われるロキに、最も救われ、最も失望させられ、もし義兄弟としなかったら永久に後悔に苦しめられたのではないかと思います。2014/05/04
しろ
15
☆6 オーディンやロキなどの神々や世界樹ユグドラシル、ラグナロク、ヴァルハラなどの単語が有名な北欧神話。それを学術的に解説していた。一貫したストーリーは前面に描かれず、個々の挿話などから見ていって、また、キリスト教との関係や神話成立の背景も述べられる。それでも大体のことは分かるし、読みにくいわけじゃない。神話というのは物語であって布教にも関わってくるから、解釈の変遷がややこしい。まあ、それは一般の歴史にも言えることかもしれない。挿話としては、トールとロキが巨人に騙される話が寓話的で面白い。2012/02/17
ma_non_troppo
3
北欧神話についての学術的な書籍。といっても、写真資料は豊富だし、文章も平易でとてもわかりやすい。著者はエリス・デイヴィッドソンという女性。以前読んだ「北欧神話物語」の解説にもたびたび名が挙がっていた。神話世界にキリスト教の影響が現れはじめると、物語がとたんにつまらなくなる。展開が一本槍なのだ。もちろんそれは教化活動の一環のためなのだけど、それにしてもひどい。神話の神々が駆逐されていく様といったら、もう目も当てられない。一神教に個人的な偏見はないが、物語に豊かな色彩とおかしみを付与する多様性の力は否めない。2011/12/16
えろこ
0
この手の研究論文は、非常に難しい・・・。でも、本気で知識を身につけたい方には強くお勧めできるのではないかと思います2008/06/18
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