内容説明
サルトルは、実存の名のもとに、失なわれた主体性の恢復をもくろんだ。だが、バタイユ、ブランショ、レヴィナスなどは、自我の喪失を受け入れるところから思考を展開する。彼らの思索の跡を辿り、意味が崩壊し、存在が先行する時代の情況に対応する現代思想の核心を克明に描く。
目次
1 〈ある〉、または〈存在〉の夜と霧
2 〈ある〉と〈非‐知〉の夜
3 死の不可能性、または公共化する死
4 ハイデガーの褐色のシャツ
5 数と凡庸への否と諾
6 〈不安〉から〈不気味なもの〉へ
7 〈不死〉のワンダーランド
8 民主主義の熱的死