感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつ
2
30年前咲き満ちた花と矢絣文様の装丁に惹かれ買い求めた本の再読。「彩色された明治」の副題、帯には「近代型女人の誕生」とあり、新たな時代のヒロインの登場を予告しつつ、女学生を描く小説「魔風恋風」「青春」の結末が暗い影を落とす。次の2つの章では束髪と袴が開放に果たした役割を伝えるが、章が進むにつれ一見華やかな彼女たちが閉ざされた時間の中で生きる様に息苦しさが募る。新書「女学校と女学生」で回想される女学生の甘美さはここにはない。前記二小説は最近読んだ数冊の本で幾度となく引用されており、読まねばと思うことしきり。2021/01/09
まあい
2
「中吊り」にされた幻影的なものとして、明治期の少女を位置づける研究。今では批判もあるが、明治の雰囲気を感じるには良い一冊。抒情的な雰囲気のある文体で、読み物として楽しい。豊富な図版もありがたい。2017/02/10
naokovski
0
読みものとしてとってもおもしろかった。2010/07/31
leiaikawa
0
読了。結構前の本なんだな。新版も出てるみたいだけど、こちらの装丁もすてき。明治期の女学校と女学生について、服装、言葉遣いなどの視点から知ることができる一冊。現代となってはわりとヤバヤバな女学生に対する批判とかもきちんと載せてて、当時どれだけ女性が生きるのハードモードだったんだろうと思いを馳せてしまう。文中に挙げられていた「魔風恋風」や「森」といった女学生を描いた小説も読んでみたいところ。2024/07/09