感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yasomi Mori
1
「経営学の父」として有名なドラッカーは何よりもまず社会について考えた人間だった。彼は社会に奉仕すべきサブシステムとして、国家と市場を捉える。しかし国家の肥大化はファシズムというかたちで社会から自由を奪った。そこでドラッカーが希望を託したのが市場であり、経済的であると同時に社会的存在たりうる組織=企業であった。同時代の反市場の知識人とは異なり、彼は利潤の追求を肯定した。ただし、社会に対して責任を果たし、貢献できる人材を確保・維持すること自体が目的であり、利潤はそのための真の「コスト」であるとする。2015/09/09