出版社内容情報
稲垣足穂に霊感を受け取り、アストロノミーとしての編集を始めたのが松岡正剛だった。編集者の、編集の知とはなにか、松岡正剛の仕事は場所と媒体を作るために費やされた。松岡正剛は自身を含むあらゆる名前を概念としてタペストリー(=アンソロジー)を紡いだ。今年8月に亡くなった松岡正剛の追悼特集号。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
52
大澤真幸先生によると、松岡先生は一人の人間が一生の間に読むことができる冊数の限界まで本を読んだという(44頁下段)。私もそこまではできないが、丁寧に読む努力をしたいと思っている。粗製乱造と言われたTボス教授のことを思い出す。。荒俣宏先生によると、オイコノミアは、家計を回す。家政学がエコノミーの始まり(66頁下段)。これは、ラスキンの『芸術経済論』に出てきたことを思い出す(岩波文庫)。2025/01/31
阿部義彦
22
ようやく読了しました。松岡正剛さんという方を私は未だにどんな人かを形容する、言葉を持ちません。兎に角『遊』第二期の増刊号の「は組」(金色の表紙)を、ついつい何かの拍子に買ったのが、初めての出会いだったかと思います。その辺の経緯が三人の座談会形式で語られていて、食い入るように読みました。伝説の創刊号の表紙(杉浦康平の手による目ん玉だらーり)も掲載されてます。その後私は工作舎のファンになり「ブックマップ」を購入しました。松岡さんの周りには才能のある若い男女が集まり熱気に溢れてました。「遊」復刻を強く望む!2024/11/16
Akito Yoshiue
6
何度も読み返すことになりそうな一冊。2024/10/31
なおこっか
5
普段はユリイカ読者ではないのに、年に二冊、いずれも追悼特集で読むことになるとは。しかもオースターも松岡正剛も喫煙者で肺の病であるという…。私が松岡正剛を認知した時にはもう、博識で渋いルックスのおじさまという印象だったが、若い頃のあれこれは一概に博識とだけは言えぬ、やんちゃに編集で遊んでしまう人だったのかな、と思った。あと今まで理解したようなフリして著書を読んできたが、大澤真幸氏の解説がとてもわかりやすく、今まで理解できていなかった事が発覚。他の方に指摘されている様に、カタカナ多用はその一因、悪いクセかも。2024/12/31
岩間 宗達
0
読了。松岡正剛さんの仕事は永遠に継承されるべきだと思う。そういう意味でもこの特集を読んで安心した部分もありました。松岡批判と取れるような大塚英志さんの文章をそのまま掲載するのも松岡さんの意思を尊重しているようにも感じる。これからも私の知的生活の中心に松岡さんが居続けてくれるのが幸せです。2025/05/19