出版社内容情報
坂本龍一とはどのような音楽家であったのだろうか、音楽という営為の自律性が起源とともに問い返されることになる。それこそ坂本龍一の問いであったと信じること、出発点はそこにある。われわれはたしかに坂本龍一の時代を生きていた。坂本龍一死去、残響の手前にその音楽を聴き返す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
18
時間を掛けて編集しただけあって、 寄稿者やインタビューの内容が充実していて、数々ある安易なディスコグラフィーを並べただけの追悼本とは手間のかけ方が全然違います。流石ユリイカ。巻頭から大貫妙子さんへのインタビュー、彼女の歌『 若き日の望楼』というタイトルでも良いと思うぐらい思いの丈を吐き出してます。そのほかクリス・モズデル、山崎春美、高田漣等の寄稿も愛に満ちているし、現代音楽、現代社会の音楽家そして何よりも活動家としての坂本龍一に迫っていて圧倒されました。あぶさんから教授になっても基本は変わらなかった。2023/11/13
ナポリノロク
3
ここの所ゆっくり本を読む時間と体力がなく、ようやく読み終えたので取り急ぎ記録。2023/11/25
Taxxaka_1964
2
主に晩年のピアニスト、サウンドアーティストとしての坂本龍一にスポットを当てた特集だが、大貫妙子のインタビューや仲山ひふみらの論考は、ポップアーティストとしての坂本龍一にも接近している。技術的な考察含め、網羅的に坂本龍一に迫る優れた一冊で、未だに失ったことが信じられなく、大きな存在であったことが想われる。