出版社内容情報
『蛇にピアス』でのデビューから20年。新境地へと踏み込んだ『腹を空かせた勇者ども』刊行を機に、小説家・金原ひとみを追う総特集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
justdon'taskmewhatitwas
6
先に読んだ本で、吉本隆明が「成長の跡をたどれるような作家というのは、村上龍、村上春樹で終わり」と、町田康の『くっすん大黒』の頃に話していたが、金原ひとみが出ていれば、違っていたんじゃないかと思った。それから、作品に"女"と"社会"を感じること多々なのだが、フェミともアンチマチスモとも微妙にズレていて、常識ぶった男目線の読書では全く芯を食わず、振ったバットが空を切ること甚だしい。2023/12/11
めまい
3
江國香織が金原ひとみのファンだと言っていて、ストーカーみたいな発想だけれども、とても嬉しくなる。作品の方向性は異なる2人だが、小説を書く理由が似てそう。生きていく上で諦めざるをえないものがあって、それが全然腑に落ちるべきではないのに自分自身は諦めているから、この2人は小説を書いているのかなとたまに思う。自分のパラレル。あと、金原ひとみが描く女性主人公は決して〈痛く〉ないと思う。メンヘラとかジェンダーの呪縛とかに囚われてしまえた方が楽なのにという世界観なのでは。2023/11/05
バーベナ
2
まるごと金原さん。長く書き続けてくれているのが嬉しい。金原さんはどんどん変わっていく部分と、変わらない部分があって、それを惜しみなく表現されているのが好き。2023/11/27