内容説明
戦後の混乱期に戸籍を消された上条健策は、自らを“硬派金融”と称して日本経済界の裏街道を歩いていた。その商売は金融業とはいっても月並みな高利貸とは違い、金利を稼ぐよりも相手をそっくり食ってしまうのが狙いで、事実、上条のもとにはさまざまな経済事犯のスペシャリストが集まっていた。そんな彼に、有望会社と評判の高い里見重工の会長名義の25万株券を担保とする融資話が持ち込まれたが…。権謀術数入り乱れる裏金融界の実態を鋭く抉る異色企業サスペンス。
戦後の混乱期に戸籍を消された上条健策は、自らを“硬派金融”と称して日本経済界の裏街道を歩いていた。その商売は金融業とはいっても月並みな高利貸とは違い、金利を稼ぐよりも相手をそっくり食ってしまうのが狙いで、事実、上条のもとにはさまざまな経済事犯のスペシャリストが集まっていた。そんな彼に、有望会社と評判の高い里見重工の会長名義の25万株券を担保とする融資話が持ち込まれたが…。権謀術数入り乱れる裏金融界の実態を鋭く抉る異色企業サスペンス。