出版社内容情報
「記憶に自信ある者求む」。ある日萬朝報に載ったこの求人、どうも様子がおかしい。心優しき雑誌記者と、超絶美形の人気絵師。2人の青年が織りなす、明治探偵物語第2弾!
内容説明
ある日、萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。見たものを瞬時に覚えられる博一は、養父の勧めもあって募集に応じた。見事採用となり、高い給金を得て記憶力の訓練を受けていたのだが―。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、二人の青年をはじめ明治の世に生きる人々の姿を人情味豊かに描いた、「帝都探偵絵図」シリーズ第二弾。表題作を含む五話収録。
著者等紹介
三木笙子[ミキショウコ]
1975年秋田県生まれ。第二回ミステリーズ!新人賞の最終候補作を改稿し連作化した『人魚は空に還る』で2008年にデビューを飾る。あたたかな人物描写と軽妙な筆致が印象的な期待の新鋭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
62
1,3巻は単行本で所蔵しているのですが2巻は高校の図書館で借りたので持っていませんでした。しかも下村冨美さんの押絵&描き下ろし作品付きなので迷わず購入。人生は目先の欲に捉われて綺麗なことに気づかないこともある。それでも気持ちは通じると思って話すこと、その心によって暖められた気持ちも確かに本物だ。荒んでいる時にこのような本を読むと世界が悪くないものに見えて心が洗われます。シャーロック・ホームズがきっかけで知り合った2人と卿が微笑ましいです。読書は人を繋げる^^2012/05/26
papako
59
シリーズ2巻。今回は時系列がいろいろ。高広の義父母の出会いや、高広と礼の出会いなど。森恵の学校の話もいいな。無理くりホームズに絡めるのは相変わらず。謎の解明に至る部分はあっさりしているので、あれ?と思うと終わっている。さらっとしてるけど、それなりに楽しめます。←エラソウに!しかし、私としてはもっと礼に活躍して欲しいな。無邪気な礼が楽しいので。2018/09/15
優希
41
和製シャーロック・ホームズの香りがしました。新聞記者・礼と美形の絵師高広のコンビがいいですね。5編おさめられている中の3編は父親の物語など、まわりの人たちの話になっているので前作を読んでいないため、人間関係がちょっとわかりにくかった感じです。ですが、明治期を生きた人たちの姿が生き生きと人間味あふれて描かれているので楽しく読むことができました。ミステリーとしては難易度が低く、あまりミステリー色はないような気がするので、人間ドラマとして読むのが正解なのかもしれません。2014/08/10
眠る山猫屋
40
維新から十数年、未だ幕末を引きずる者も多い時代の変換期。あとがきにもあるように、二冊目は外伝的な要素も多いけれど・・・。『生き人形の涙』がお気に入り。あの終わり方といったら・・・。人形だって泣いちゃいます。他の作品も、みな暖かい気持ちにさせてくれる素晴らしい物語群。お勧めのシリーズです。2015/05/22
藤月はな(灯れ松明の火)
33
文庫ではちゃんとネタバレしている作品名の注意や解説に人物関係図が書かれているのが親切ですね。相手を思うが故の擦れ違いですが思いを伝えればきっと分かり合える。築き上げる友情の御話は「青春だな~」とほのぼのとしてしまいます^^「生き人形の涙」は過去を考えて恥じたり、悔むことがあってもどちらにとっても大切で幸福な時間は生まれていたのだと信じてもいいのです。「氷の女」での「幸せの順番待ち」という言葉に今回はぐっときました。2013/03/11
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