内容説明
ある日、突然「赤いシミ」が気になるところから、すべては始まった…。すべてのものが汚く見えだし、手洗いやシャワーが4時間を超すことも。壮絶!現役朝日新聞記者とそれを支えた妻の「強迫性障害」体験記。朝日新聞「患者を生きる」連載、待望の書籍化!
目次
第1章 強迫性障害の発症
第2章 精神科クリニックへの通院
第3章 森田療法との出会い
第4章 「漢字に分度器」の中学時代
第5章 東京への転勤で悪化
第6章 妻の一言で症状改善
第7章 大学で体験を語る
第8章 単身赴任で症状悪化
第9章 僕が体験記を書こうと思ったわけ
第10章 堀越博士インタビュー
強迫性障害・回復への五箇条
佐藤流強迫性障害を乗り越える七箇条
出版に際しての対談
著者等紹介
佐藤陽[サトウヨウ]
1967年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。米・ジョージワシントン大学政治学部卒業。1991年、朝日新聞社入社。大分総局、東京本社学芸部などを経て、現在文化部be編集部記者。2007年より、早稲田大学理工学術院非常勤講師(「産業社会のメンタルヘルス担当」)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
31
多くの人に手に取ってもらうために文字数を減らしと、ライトな構成になっていると思われるが、当事者の気持ちも慮りたいが、それにしたって、対話形式で露になる最後の配偶者の叫びは重量があり鳩尾にどすんと入った。2023/07/24
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
22
強迫性障害になった朝日の記者による体験記。いや、これは大変ですわ。恐怖症は対象を克服できれば終わりだけど、脅迫は対象が伝染移転するから終わりがない。結婚する前から著者の病気に付き合ってきた夫人の言葉が重い、「この病気は”自分の思い通りにならない状況に耐えられない病気”です」、ってそんなんどの病気もそうなんじゃないかって思うけど、比較にならんのだなあ。そして終盤、結婚35年一番辛かった時期は?という問いに、現在進行形、年をとって大変さが増すだけ、という絶望み。安易な表現となるが、これぞ一病息災、治らないも→2023/06/19
kanki
15
6割でヨシ。とにかく日々の行動多めに。ERPはゲーム感覚で継続を。対談してわかる、妻とのギャップ、が最も勉強になった2024/06/13
メチコ
14
強迫性障害。 読み進めていくと、わかっちゃいるけどやめられない筆者の苦労や切実な思いがよくわかる。 そのため筆者に対して同情を寄せてしまいそうになるが、最後の最後、奥様との対談でその対象が切り替わる。 むしろそれまでのすべてが奥様との対談までの前振りとさえ思えてしまったよね。 この部分こそが飾りのない正真正銘のリアルなんだろうな…と。 キーワードは「周囲の巻き込み」。 この病気を客観的にみたときに、本人と同等、もしくはそれ以上にケアを必要とするのは本人に近しい人々なのかもしれないね。2024/04/07
茶々吉(パーソナリティ千波留)
5
みのおエフエム 2024年2月28日放送の「図書館だより」で紹介するために読了。私自身が強迫性障害ぎみなので、身につまされた。ちょっとしたきっかけで誰にでも起こりうることらしいので、知識を持っておいた方が良いかもしれない。 詳しい感想は連載書評「千波留の本棚」に。⇨https://www.kansai-woman.net/Book_s.php?id=202423 もしよかったら声の書評もお聞きください→https://stand.fm/episodes/65df458ab18b275f7a3eb9d92024/02/28