内容説明
自傷は、つらい瞬間を生き延びるために少しずつ死をたぐりよせる、行動のアディクションだ。自傷に関する豊富な臨床経験と研究知見にもとづいて、従来、演技的・操作的行動とされてきた自傷概念を否定し、「アディクションとしての自傷」という新しい作業仮説を提唱し、自傷に対して積極的に介入することの重要性を主張。
目次
自傷とは何か
自傷の概念とその歴史的変遷
自傷のアセスメント
自傷と衝動―「切ること」と「キレること」
嗜癖としての自傷
自傷と自殺―リストカッターたちの自殺予防のために
解離と自傷
いじめと自傷
自傷とボディ・モディフィケーション
思春期・青年期のうつと破壊的行動―不快感情の自己治療の試み
トラウマ、自傷、反社会的行動―少年施設男子入所者の性被害体験に注目して
解離と反社会的行動
自傷の嗜癖性に関する研究
教育現場における自傷―養護教諭研修会におけるアンケート調査から
思春期における「故意に自分の健康を害する」行動と「消えたい」および「死にたい」との関係
非行少年における自殺念慮のリスク要因に関する研究
若年男性の自傷に関する研究―少年鑑別所における自記式質問票調査
著者等紹介
松本俊彦[マツモトトシヒコ]
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター副センター長、薬物依存研究部診断治療開発研究室長。佐賀医科大学医学部卒業後、神奈川県立精神医療センター、横浜市立大学医学部附属病院精神科、国立精神・神経センター精神保健研究所司法精神医学研究部などを経て、平成19年より同研究所自殺予防総合対策センター自殺実態分析室長、平成20年より薬物依存研究部室長を併任、平成22年より現職。日本アルコール精神医学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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