内容説明
「自閉症」の概念の変遷を、歴史的・社会的視点で見つめなおすエッセイ。19世紀初頭の「アヴェロンの野生児」から19世紀中頃の「カスパー・ハウザー」、20世紀の「狼少女」に至る症例をめぐる内外の学説を紹介しつつ、児童精神医学のありかたにも言及する。心理的発達の障碍とされている「自閉症」の新たなとらえ直しを示唆する、問題提起の書でもある。
目次
その1 野生児の假面(亜種としての野生児;野生児の実像;野生児問題の背景;野生児の帰還)
その2 精神病への囲い込み(精神病の登場;スキゾフレニアの牽強附会;自閉症の發見;混沌とした精神病概念への埋没;發達障碍の衣装を纏った浮上)
著者等紹介
石坂好樹[イシサカヨシキ]
昭和23(1948)年、兵庫県に生まれる。昭和48(1973)年、京都大学医学部卒業。その後、京都大学医学部附属病院精神科で卒後研修を受け、公立豊岡病院および京都大学医学部附属病院の勤務を経て、平成15(2003)年から京都桂病院精神科に勤務している。専門は臨床精神医学、児童青年精神医学である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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