内容説明
第1部では、自ら辛酸な酒害体験を経て、初代和歌山断酒道場長に就任した児玉正孝氏の、酒害克服までの体験記や、AAのステップとも相通じるところが多い氏の断酒理念を収録する。第2部では、臨床医としての立場から集団療法、自助グループについて、米田氏が解説する。
目次
第1部 萌芽から結実へ(わが脱出の記;例会に出席せずばわれ生きず;児玉語録)
第2部 臨床と地域のあいだで(視点;集団療法の場で学ぶ;自助グループへ参加のすすめ;自助グループの回復機能―聞く、語る、超える)
感想・レビュー
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ノンケ女医長
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平成4年発刊。著者の一人は、昭和58年に病のため他界されている。重度のアルコール依存症で、体系化されたプログラムや、服薬治療、動機付け面接はもちろん困難で、治療を受けながら就労や家事を行うだなんて、当時の苦労者は思いもしなかっただろう。前和歌山断酒道場長と肩書きを付した当事者は、複数回の断酒治療を受けた。その場所が、なんと八丈島だった。八丈島断酒療養所と、名前は仰々しいが、医師や医薬品はなし。共同生活で、入所者が賃金を支払う仕組み。異論はあろうが、久里浜医療センターのことを思い出した。一人で断酒は、困難。2021/01/03