内容説明
本書は自己愛パーソナリティ障害の精神病理についてマスターソンがはじめて公けにしたものであるが、これまでの彼の境界例の精神病理論を明確にまとめ、さらにそれを発展させる形で自己愛パーソナリティ障害を論じている。マスターソンは治療技法として境界例には〈直面化〉を、自己愛パーソナリティ障害には〈解釈〉を原則として用いる必要があることを説き、症例の面接記録を順を追って詳細に記述する中で治療技法の実際を明らかにしている。
目次
1 自己愛の精神病理(自己愛パーソナリティ障害;鑑別診断;臨床像―生活歴と精神内界構造;自己愛パーソナリティ障害の精神療法―試験期;徹底操作期の開始;境界例の自己愛精神病理と偽自己)
2 境界パーソナリティ障害(発達理論の改訂と最新の理論;臨床像;治療同盟、転移性行動化、転移;転移性行動化と徹底操作;復讐行動を克服することのもつ役割;治療の終結)