内容説明
じっと見つめ、耳をすまし、デザインすれば、いのちがやどる。装丁家と小学生の娘が交わした、世界のひみつを探る13の対話。
目次
カトマンドゥ
川
壁
皿
庭
果実
墓
文字
石
人
火
歌
ことば
著者等紹介
矢萩多聞[ヤハギタモン]
画家・装丁家。1980年横浜生まれ。9歳から毎年インド・ネパールを旅し、中学1年で学校を辞め、ペン画を描きはじめる。1995年から南インドと日本を往復、横浜や東京で展覧会を開催。2002年から本づくりにかかわるようになり、これまでに600冊を超える本を手がける。2012年、京都に移住。出版レーベルAmbooksをたちあげたり、「本とこラジオ」パーソナリティをつとめたり、本とその周辺をゆかいにするべく活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
59
一般的に、美しいと形容されるものを上げてみよう。美しい花、美しい顔、美しい音色、美しい景色…。美しいと形容されるものに共通するのは、均整が取れていることのような気がする。◆しかし、この本の著者、矢萩多聞さんが感じている美しさとは、一般的に美しいと言われるイメージとはまるで違う。◆見た目の醜いものや何の変哲もないの中に美しさを感じたことはないだろうか。私にはある。土に還りゆく枯れ葉や、不格好な小石など、綺麗とは言えないものの中に美しさを感じることがある。美しいってなんだろう?2023/08/29
けんとまん1007
49
装丁家の多聞さんの文章が、とても優しい。綴られていることは、必ずしもそうでないものもあるが、伝わり方が違う。これまでの経験されたこと、切ないことも多い。そんな中から、美しいって・・・と自問自答される。一緒になって、考える。その時の自分の状態によって、感じ方も違う。それでも、美しいと思えることがいいのだと思う。それは、決して、他人に強制されるものでもなく、ふと気が付くと、そう思えている時が本当なんだろう。2022/07/12
umico
9
美しい○○について、娘と一緒に本を書く。ということがまず羨ましい。今の私や娘が思うこと話すことを書き留めておきたいと思うけれど実際はさらさらと日々がすぎていく。多聞さんがお母さんや編集者や先生からかけられた言葉たちが書かれているのだけど、良くも悪くもこうやって人のこころに残っていく言葉があるということを想う。人として美しくありたい。美しいことばを使えるようでありたい。美しいものを美しいと受け取れるようでありたい。私の美しさの物差しはまだまだ小さく、かたいけれど、まだまだ伸びしろもあるかもしれないと思えた。2023/04/02
八角屋
6
最近この文字をよく見かけると思ったら、この人だったのか。娘つたさんの文章が上手い~。ホントに小学生なの?この親子(多聞さんとそのお母さんも)の付き合い方がステキだ。矢萩家にはインドがあってヨカッタですね(^^)2022/09/10
なおこっか
4
これは家族の記録だ。装丁家の父親が子供の頃やインドで見、体験したこと、“美しい”から連想したことを書く。その文章を読んだ9歳の娘さんが、更に言葉を綴る。娘つたさんの感性、想像力が素晴らしい。まどろっこしい前提など全て無しで、過去に飛び、子供の頃の父親に寄り添い、会ったことのないひとに思いを馳せる。行ったことのある場所、会ったことのあるひとにも同様に。その思い巡らす先を読むうちに、父親多聞さんのお母さんやおじいちゃんおばあちゃんのことも、強く心に刻まれる。2023/01/27
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