内容説明
“本屋は焚き火である”人はなぜ本屋をたずねるのか?本屋が生み出す新しい価値とは?18人の書店員が語る本屋の仕事。
目次
序 本屋は焚き火である
第1部 火を熾す―本屋のない場所に本への扉をつくる
鼎談1 完璧な本(辻山良雄×堀部篤史×黒田義隆 司会・構成・追記:北村知之)
第2部 薪をくべる―日々の仕事から新しい価値がうまれる
鼎談2 あなたのための本(磯上竜也×長江貴士×鎌田裕樹 司会・構成・追記:北田博充)
第3部 火を焚き続けるために―本屋の仕事を拡張する
著者等紹介
三砂慶明[ミサゴヨシアキ]
1982年、兵庫県生まれ。本と人とをつなぐ「読書室」主宰。梅田蔦屋書店人文コンシェルジュ。大学卒業後、株式会社工作社などを経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社入社。梅田蔦屋書店の立ち上げから参加。これまでの主な仕事に同書店での選書企画「読書の学校」やNHK文化センター京都教室での読書講座などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
114
私たちの人生がことばでできている以上、人間にとって本が不要になる時代はやって来ないと思っています、とあとがきにありました。京都に400年前から続く永田文晶堂という仏教書の専門書店があり、その本棚に永田文晶堂自身が刊行している本が並んでいる。かつての本屋は、印刷、出版、販売をかねていたそうだ。出版社が約3100社、本屋が約11000店舗、取次が18社という砂時計のような日本の出版業界の仕組み自体が問われるようになってきている時代のような気がする。本書に載る推しの本屋でこれからも本を買って、読書を楽しみたい。2022/08/11
J D
80
本と本屋に関する静かな情熱と熱い思いが伝わってくる本。紹介される本屋の中には、出張の際に時間が合えば立ち寄る梅田の蔦谷、博多の丸善、那覇のジュンク堂などがあり、次回訪れるのがワクワクしてきた。図書館でも本屋でも本棚を見るのは飽きない。背表紙を見ながら色んな想像を巡らす時間に幸せを感じる。この本を読みながらそれと似た感覚を覚えた。焚き火だなー!2023/04/26
けんとまん1007
69
本屋という言葉の響きがいい。書店ではなくて、本屋。本が前面にたつのか、人が前面にたつのかだろう。前面にたつおいうのも、少し違うようには思うが・・・。本は読む、よく読むほうだと思う。そんな一方で、実は、本は殆ど買わなくて、図書館を利用している。本屋と図書館については、以前、1冊の本を読んだ。共通するのは、焚き火をくべるということ。たまに本屋を覗くと、とても新鮮な気持ちになる。何を、この本屋さんは伝えたいのかな・・・と考える。そんな感性だけは持ち続けたい。2022/07/31
ナミのママ
57
編者が「コロナ禍で本屋の仕事を見つめ直す中で感じた疑問を尊敬する書店員の方に教えていただいた本」とある。登場するのは18人、全国各地、様々な形態の書店員たち。独立系書店の方はそこに至るまでの過程が小説のようで面白かった。大手書店員はあらゆる顧客に対応するのだからそれもまた大変だろう。出版取次を含む物流の流れの変化もこれから増えそう。専門的な部分は流し読みしたがBOOK LISTだけでもなかなかだと思う。2022/08/09
よっち
46
本と人が集い、直接触れあえる場所、本屋。なぜ人は敢えて本屋をたずねるのか。書店員は仕事に何を求め、自分の個性をどう生かしどんな仕事をつくっているのか。本屋という仕事から見える新しい働き方の形。今回は18人の書店員を取り上げられていて、それぞれがどうやって今のスタイルに至ったのか、そこから垣間見えるこだわりが綴られていましたけど、その中で特に印象に残った、売る自信がないのは自分がその意味をわかっていない本で、だから説得力がない、売れる土壌がなければ売れない、というのは全くもってその通りで突き刺さりました…。2022/08/06