内容説明
進化生物学者と心理学者の夫婦の家に、真っ白な可愛い子犬がやってきた。名前はキクマル。続いて、やんちゃな暴れん坊コギク、可愛いわがまま娘のマギー。3頭3様,個性の違う彼らと一緒に暮らして考えたことをつづる、科学×愛犬エッセイ。
目次
プロローグ 我が家のイヌたち
1 イヌは世界をどのように認識しているか(食べる、嗅ぐ;見る、聞く、味わう)
2 イヌとヒトの来た道(イヌはどこから来たのか;生物の進化と人為選択;犬種の違い、個性の違い;イヌの一生)
3 イヌが開く社会(どうしてイヌは可愛いのか―愛着形成の機構;イヌを飼うことと私たちのコミュニティ)
おとんの視点から 社会の中のイヌ―ヒト‐イヌ関係再考(長谷川寿一)
著者等紹介
長谷川眞理子[ハセガワマリコ]
1952年東京都生まれ。専門は行動生態学、自然人類学。野生のチンパンジー、イギリスのダマジカ、野生ヒツジ、スリランカのクジャクなどの研究を行なってきた。現在は人間の進化と適応の研究を行なっている。総合研究大学院大学学長。イヌと暮らしたことにより、世界が一変。今や、イヌもヒトも魚も、子どもはすべて可愛い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yyrn
21
愛犬家のおばあちゃんが書いたエッセイだと紹介されて読めば楽しかったと思うが、この本の紹介に「進化生物学者が」という惹句が使われていたので、そちら方面の考察を大いに期待したが、期待した分、がっかりが過ぎた。▼愛犬と楽しく過ごす日常生活での出来事がメインで、専門の生物学の話は解説的にたまに登場する程度。副題にある「進化、愛情、社会」は、愛情>進化>社会の順で、7:2:1の割合ではないかw。▼イヌを手なずけたからホモサピエンスは生き残ったと言われるとそんな気もするが、ではネコの役割はどうだったのかww?2022/05/25
Sakie
13
理知めな犬エッセイ。ヒトーイヌ関係や、イヌを介在したヒトーヒト関係についての考察。ヒトーイヌ関係もイヌを介在したヒトーヒト関係も、ネコとのそれよりも相互作用が豊かであるというのは、どうやら確かだ。ネコとヒトもアイコンタクトは取れるが、そこに共感は発生しない。またネコと暮らす人同士にイヌ友のような友情は発生せず、それをきっかけとする地域の人間関係も生じ得ない。これは人生すら左右する現象だ。素晴らしい。だからといってイヌをうちに迎えようとはならないのは、私の中のネコ的要素がそれを求めないのだから仕方ないよな。2022/08/25
はとむぎ
10
科学的な考察を期待したが、特に深掘りはなし。犬好きのエッセイとして楽しく読めました。2022/06/16
jackbdc
9
普通のイヌ好き用エッセイ。驚くべき知見が綴られているわけではなくほっこりする日常が綴られる。印象に残ったのは子供嫌いだった著者がイヌを飼う事で子供好きに変わった事。そしてイヌの散歩を通じて近所に仲間が増えて地域での暮らしが楽しくなった事。子供が生まれると”お母さんスイッチ”が入るという。近所づきあいも増えると言われる。イヌを飼うのも同じ類の効果を生むのだという。しかし結構ありきたりな内容ではある。進化生物学の大家である著者が、そんなありきたりの日常体験を感情を込めて書き連ねるというのもなんだか面白い。2021/12/11
Yuki2018
4
著者夫婦は二人とも大学教授で、本書は軽いエッセーながら、イヌと人間の認知の違いとか、オオカミからの進化等も説明している。ホモ・サピエンスが他の人類を凌いだのはイヌの存在が大きかったかも知れないとか。へえー。我が家も犬を飼っているのだが、とにかく可愛いく心が通じ合うような気がする。ヒトとイヌは手を取り合ってここまで来たんですね。ただ、著者はイヌの専門家ではないので、本書も深い内容ではない。富ヶ谷や番町など超高級住宅街のマンション+伊豆の別荘等のリッチな著者の生活が寧ろ印象に。2022/02/11