内容説明
子育ては楽しい?いえいえ、そんな単純なものではない!「母とはこうあるべき」という思いこみをほぐし、別れを見すえた親子関係を考える。子どもたちが、もっと自由に、誰もが生きやすい未来の社会をつくっていくためには、社会がおかあさんたちへの見方を問いなおし、変えていくだけでなく、今、子育て中のおかあさんたち自身が自分への見方を問いなおし、思いこみから解放されていくことが大事です。
目次
はじめに 「子育ては楽しい」のワナ
新米おかあさんの経験(赤ちゃんとの出会い―おかあさんもまた「生まれる」;おっぱいのしもべ?―近づきすぎるとそれしか見えない;イヤイヤ期の到来―勝ってはいけない闘い ほか)
頑張らない子育て(母親だけではできないヒトの子育て―おとうさんを同志に;「私が」頑張ってもうまくいかない―子育てはチームで;きょうだいを育てる―葛藤がきたえる絆 ほか)
こころを解き放つ(内なる子ども・内なる母―こころの声に耳をすます;罪悪感という友だちと別れるコツ―負の因果関係にとらわれない;「別れ」のレッスン―寂しさと誇らしさと ほか)
著者等紹介
高石恭子[タカイシキョウコ]
甲南大学文学部教授、学生相談室専任カウンセラー。専門は臨床心理学。乳幼児期から青年期の親子関係の研究や、子育て支援の研究を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のりたまご
7
「子育て=楽しい」というイメージに対する違和感と反発。もちろん、子育てには楽しい事もあるが、単純にそう言い切れない苦労もある。「個」を重んじる欧米思想と、集団を重んじる日本的思想とのダブルバインド。「私が頑張れ(我慢すれ)ば皆が幸せになる」という信念。こういった常識がお母さんを苦しめる。助言や情報は「正しいかどうか」ではなく「今の自分にとって役に立つかどうか」で選択しても良い。子育てはチームで行う。子どもが豊かな時間を生きられるようになるためには、お母さん自身も一人でいられる時間を備えていることが必要。2021/07/19
れいれい
2
友達から出産祝いに頂いたもの。洗濯機を回している間に一気読み。まだ母親になって日が浅いけれど、少し気持ちが楽になれた、ありがたい本。2021/07/25
tomoz
1
★★★☆☆日頃から子育てエッセイや育児漫画を読み漁ったいるのもあってか、「子育ての常識から自由になる」と謳うほど目新しさを感じる内容ではなかった。ただ「母親になる前の自分を喪失した寂しさや戸惑い」という一文に、自分が気づかずに抱いていた感情を言語化してもらった気持ちに。望んで親になり、無事生まれてきてくれて本当に嬉しいし、子どもを産んだことに後悔なんて全くない。でも、産む前の身軽さは戻ってこないこと、母親ではない自分にはもう戻れないことにひっそりと寂しさを感じていたことに気付けてよかった。2024/09/16
くにまつ
0
自己効力感(私がうまくやれば何とかなるという感覚)の高い親ほど、子供の能力が低いという意外な研究結果が紹介されていた。子供は、親が頑張ればコントロールできるというものではない。子供の成長においては負の部分も出てくるが、それをすべて親の育て方の結果(因果)と捉えるのではなく、周囲の環境や出会いなどといった「縁起」で捉えるのが良いという事が書かれていた。良い本だった。2024/09/09
アキヒコ|おさるのジョージ研究室
0
子育てを楽しまなくてはいけない、というせんにゅうかんはすてる。楽をすることは悪いことではない。2022/02/05
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