内容説明
農山村の再生のヒントは、人々の暮らしにある。農山村の荒廃の実態と再生への道筋を、住民の生活から展望する。
目次
1章 中山間地域の荒廃(荒廃する農村と空間管理;荒廃する土地の空間的特徴と農家の特徴;過疎化と転出世帯による空き家・農地の管理)
2章 都市近郊地域の荒廃(都市近郊地域の管理放棄と都市的土地利用;都市近郊地域の就業構造)
3章 農山村地域の余暇活動、つきあいの変化
4章 地域空間管理の再生へ向けて(前章までの総合考察と提言;グリーンツーリズムによる空間管理)
補章 地域づくりと地域の再生を目指して―地域づくりの現場から学ぶ
著者等紹介
齋藤雪彦[サイトウユキヒコ]
1966年生まれ。京都大学建築学第二専攻修了。現在、千葉大学大学院園芸学研究科准教授。博士(工学)、一級建築士。専門は農村計画・都市計画。中山間地域、都市近郊地域、東日本大震災被災地における地域づくりに関わりながら、復興計画、コミュニティとコミュニケーション、グリーンツーリズム、産廃問題、土地利用・管理に関する研究を進めて来た。長時間のインタビュー調査などにより住民の生活を見ることで、問題の所在や解決への道筋を明らかにしようとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Moloko
1
農地の荒廃、耕作放棄地が農山村の外縁から広がっていき、草刈りなどの周辺環境の整備も義務的に行っている一線から引退した農家の存在、空き家の管理とコミュニティの関係、産業廃棄物の放棄地と持ち主の関係などの調査を2~3の集落のケーススタディーによって実証を行ったもの。専門的であるが、農村を空間的に捉えて、農地の使われ方が周囲の環境にどう影響を与えるか、廃棄物が投棄される又は非合法的に集積された土地が周囲に汚染や景観の問題を起こす可能性がある以上、そのような問題にどう法制を整備して対処すべきかを考えさせられた。2016/11/14