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世界思想社現代哲学叢書
“あいだ”を開く―レンマの地平

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  • サイズ B6判/ページ数 188,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784790716433
  • NDC分類 120
  • Cコード C1310

内容説明

二元論を包摂する東西総合の地平へ。西田幾多郎の系譜上で独自の個性を放つ山内得立の思想に着目し、古代インドに発するもう一つの論理、レンマの地平を見極める。ロゴス的二元論によって分断された人と自然、人と人との“あいだ”を回復し、生命と環境の危機から蘇生する道を切り拓く。

目次

1 もう一つの論理―レンマの世界(ロゴスからレンマへ―東洋的伝統との出会い;中の論理―大乗仏教の視圏;即非の論理―東西の“綜合”へ)
2 「生の論理学」は可能か(なぜ“あいだ”が重要なのか;生きたものの論理―西田幾多郎の“生の論理学”;反ロゴスの「論理」―ベルクソンにおける“中間”)
3 “中の論理”としての風土学(通態性―ベルク風土学における“あいだ”;人間存在の二重構造―和辻哲郎における「空の論理」;アナロギアと“形の論理”―“あいだ”を開く語りへ)

著者等紹介

木岡伸夫[キオカノブオ]
1951年奈良県に生まれる。1977年京都大学文学部卒業。1985年京都大学大学院文学研究科博士課程退学。現在、関西大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

eirianda

12
なかなか仏教哲学を言葉に表すのは難しい。読んでいて、最後に神秘の煙に巻かれ、は? となることが多い。西欧のロゴスと大乗仏教のレンマを比較し、言葉で説明しようとしているようだが、もう感想書いていて既に自分が筋の通るように分かっていないことが分かり、それはロゴス的な思考に支配されているからかも、と書いてみるが、今後自分の思考に影響を及ぼすことは難しい。何故なら読後、腑に落ちた感、がなかったから。阿呆ですいません。2016/12/12

tetekoguma

1
因果関係や論理以外で物事を説明しようとするときに有用なレンマについての解説書。京大にいた山内得立という第一級の哲学者がまとめたレンマ研究をわかりやすく説明してくれています。ベルクソン、南方熊楠や中沢新一も取り組んでいる未踏の領域ですがサイエンスその他に大きな変動をこす可能性を秘めた考え方は魅力的。(量子力学などサイエンスと東洋的フレームワークの融合が進むと良いのですが…)弁証法にとどまった西田哲学の限界も指摘してくれているのが親切です。新しいものことが生まれる、ものことが変化する原理に興味ある私に・・・2021/11/07

でろり~ん

1
思想書の中では、おそらくベストに分かりやすい本でした。偶然にも直近に山内得立を読んでいたこともありますが、鈴木大拙、梅原猛、三木清だとか出てくる人物が既読の人ばかりだったので好感触で説得力がありました。ただ、著者が専門とする風土学に記述が及んだとたん、解釈の説明ばかりが目立ち、レンマの役割を明言するまでには至っておらず、残念でした。途中で倒れられたということで、ちょうどその辺りからの部分になるのでしょうか。これだけの記述内容だと色即是空空即是色という意味合いからの進展が無いように感じられました。風土学?2017/04/24

神戸泰伯

0
即と即非の異同2016/08/30

arisa

0
自分の関心に結びつけて読んでしまうのだけど、ベルクソンのイメージから、統合失調症の妄想の存在様式を論じるという方向性は考えられまいか。 事物と表象のあいだ。妄想だから、現実ではない。しかし、単なる表象と割り切るにしては、事物性が強すぎる。 統合失調症の妄想には、主体軸で語られるべきところが、他律優位な形式になる。 本を読もうと、思う お腹が減ったと、感じる  と言われるところが、 本を読もうという考えが、聞こえる お腹が減ったという考えが、出る のようになる。 2023/07/07

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