内容説明
求められているのは「自己の善」か「世界の善」か。カント、ムア、ロス、ヘア、ロールズ、ハーバマス、大庭健、永井均等、諸道徳説を検討する。併せて「利己」ということを突き詰めて考察し、「功利主義」について新しい解釈を施しつつ、「議務論vs.帰結主義」という基本対立構図を基底的に問い直す。
目次
第1章 「正しい」「善い」とは何か―ムア、ロス、ヘア「メタ倫理学」を検討する
第2章 道徳の「正当化」を求めて―ロールズ、ハーバマスに即して
第3章 なぜ道徳的であるべきか―Why be moral?(in Japan)
第4章 「利己的」とは何か―カント、レヴィナス説をも基底的次元で問う
第5章 「義務論 対 帰結主義・功利主義」?―対立構図の内在的批判・解体
第6章 「自己善の倫理」と「善き世界の倫理」―問題なのは「自己」か「世界」か
著者等紹介
安彦一恵[アビコカズヨシ]
1946年金沢市に生まれる。1969年京都大学文学部卒業。1975年京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。1980年滋賀大学教育学部講師(’81年、同助教授、’88年、同教授)。1984年西ドイツ・フンボルト財団奨励研究員としてコンスタンツ大学に在籍(~86年)。2012年滋賀大学定年退職(同大学名誉教授)。現在、滋賀大学・関西大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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