内容説明
小説、演劇、映画、漫画からゲームの中に現れる記憶喪失。十九世紀における登場から現代まで、虚構の中の記憶喪失モチーフの展開と機能を扱った、斬新なフィクション論の誕生。
目次
第1章 モチーフの誕生(二十世紀以前;戦争と記憶喪失;ピランデルロ・シンドローム;大衆文化におけるモチーフ)
第2章 モチーフの発展(繰り返される戦争とモチーフ;繰り返される戦争とモチーフ―スパイ小説と記憶喪失;帰還兵とフィルム・ノワール;サイコスリラーと記憶喪失)
第3章 現代におけるモチーフの展開(フィリップ・K.ディックの衝撃;ゲーム化する想像力とモチーフ;日本におけるモチーフの展開―戦後史の欠落と健忘;日本におけるモチーフの展開―ジュブナイル的想像力と記憶喪失)
第4章 機能的考察(記憶喪失が生み出す物語―リプレイと放浪;記憶喪失が生み出す物語―演技とコメディー;記憶喪失が生み出す物語―アナザー・ワールド(もう一つの世界)
記憶喪失が生み出す物語―生の親密さと記憶)
著者等紹介
小田中章浩[オダナカアキヒロ]
1958年生。大阪市立大学大学院文学研究科(表現文化学専修)教授。博士(文学)。専門分野:現代フランス演劇を中心とするモダンドラマの研究、表象文化論。著書:『現代演劇の地層―フランス不条理劇生成の基盤を探る』(ぺりかん社、2010年。2011年度日本演劇学会河竹賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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