内容説明
いつの時代も恋に生きる人たちがいた。苦しみ傷つきながらも誰かを愛し続ける「おろかしくもいとおしい」人間を文学は抱擁してきた。『トリスタンとイズー』から古典悲劇、ファム・ファタル小説、そして現代小説『人生は短く、欲望は果てなし』まで、フランス恋愛文学珠玉の20篇を読み解く。
目次
恋愛は十二世紀の発明?―『トリスタンとイズー』
恋と義務とをはかりにかけて―コルネイユ『ル・シッド』、ラシーヌ『アンドロマック』、ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』
ファム・ファタルのつくり方―アベ・プレヴォー『マノン・レスコー』
マノンの後継者たち(フランス篇)―メリメ『カルメン』、ゾラ『ナナ』
マノンの後継者たち(日本・アメリカ篇)―谷崎潤一郎『痴人の愛』、フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』
プレイボーイとプレイガール―ラクロ『危険な関係』
恋愛と野心―スタンダール『赤と黒』、バルザック『ゴリオ爺さん』
プラトニックな不倫?―バルザック『谷間の百合』、フロベール『感情教育』、ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』
さわやかな恋愛小説?―サンド『愛の妖精』、ネルヴァル『シルヴィー』
恋に恋する女たち―フロベール『ボヴァリー夫人』
恋愛と嫉妬―ブルースと『失われた時を求めて』より「スワンの恋」
愛があるなら年の差なんて―コレット『シェリ』
負け組のラブストーリー?―ウェルベック『素粒子』
二十一世紀のマノン・レスコー?―ラベイル『人生は短く、欲望は果てなし』
著者等紹介
東浦弘樹[トウウラヒロキ]
1959年、兵庫県生まれ。京都大学文学部フランス文学科卒業。関西学院大学文学研究科(フランス文学専攻)博士課程在学中に、フランス政府給費留学生として渡仏、ピカルディー大学(アミアン)で、国際カミュ学会会長ジャクリーヌ・レヴィ=ヴァランシ教授に師事。ピカルディー・ジュール・ヴェルヌ大学文学博士。現在、関西学院大学文学部教授(フランス文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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viola
Mana