内容説明
アジア系アメリカ人男性による演劇作品のマスキュリニティ表象を通して、アジア系アメリカ人における人種、ジェンダー、セクシュアリティの交差、マスキュリニティに依拠したアメリカニズムの問題点を浮き彫りにするアジア系アメリカ演劇についての本邦初の研究書。
目次
アジア系アメリカ人男性の演劇とマスキュリニティ
第1部 アジア系男性ステレオタイプに抗する演劇とマスキュリニティ(アジア系アメリカ人男性の失われたマスキュリニティ―フランク・チン『鶏小屋のチャイナマン』;アジア系男性の非男性的ステレオタイプに抗して―フィリップ・カン・ゴタンダ『ヤンキー・ドオッグ・ユウ・ダイ』;アジア系男性ステレオタイプとしてのブルース・リー―エリック・マイケル・ジー『ドラゴン退場』、SLANT「ビッグ・ディックス、エイジアン・メン」)
第2部 デイヴィッド・ヘンリー・ホワンの演劇とマスキュリニティ(オルターナティヴなマスキュリニティを求めて―デイヴィッド・ヘンリー・ホワン『FOB』『踊りと鉄道』;イデオロギーとしての“アメリカン・ファミリー”批判―デイヴィッド・ヘンリー・ホワン『家族礼拝』『金持ちの親戚』;人種・ジェンダー・セクシュアリティ“神話”の脱構築―デイヴィッド・ヘンリー・ホワン『M・バタフライ』;オリエンタリズムを越えて―デイヴィッド・ヘンリー・ホワン『大航海』『ゴールデン・チャイルド』;パフォーマティヴなアイデンティティ/ジェンダー―デイヴィッド・ヘンリー・ホワン『ボンテージ』『チャイナタウンを探して』)
第3部 アジア系アメリカ演劇の新潮流とマスキュリニティ(“モデル・マイノリティ神話”に潜むマスキュリニティの不安とホモフォビア―ダン・クワン『ナイスガイ師と壊れたタオの物語』『僧侶になるための三つの易しい教え』『ドードー・ワクチン』;アジア系男性の“フェミニスト的まなざし”―フィリップ・カン・ゴタンダ『ヤチヨのバラッド』『ウィンド・クライズ・メアリー』;境界を越えるアジア系クイア演劇―チェイ・ユウ『白磁』『他者の言葉』『ワンダーランド』;アジア系男性のマスキュリニティの再定義/再構築へ向けて)
補論 アジア系アメリカ演劇概観
著者等紹介
山本秀行[ヤマモトヒデユキ]
1963年長崎生まれ。上智大学文学部英文学科卒業、同大学院文学研究科博士前期課程修了。1998‐99年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)客員研究員。現在、神戸大学大学院人文学研究科准教授。専門は、現代アメリカ文学・演劇(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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