内容説明
『星の王子さま』で学ぶ文学批評理論入門。『星の王子さま』を名作古典として読み、哲学や思想史、宗教、とくに物語論を駆使してこの名作の「神秘」のいくつかを明らかにするとともに、文学作品一般の読解方法についても解説する。
目次
第1章 子どものための物語、それともおとなのための物語?
第2章 パイロットと子ども―冒険物語、それとも寓話?
第3章 複合的な物語―交差する運命
第4章 次から次への出会い
第5章 人間からユマニスムへ
第6章 独創的なエクリチュール
第7章 シンボルの読解へ向けて
結論
著者等紹介
三野博司[ミノヒロシ]
1949年京都市に生まれる。1974年京都大学文学部卒業。1985年クレルモン=フェラン大学大学院博士課程修了(文学博士)。奈良女子大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひ ほ
14
難しくてななめ読み2022/02/12
はるま
8
訳者違い『星の王子さま』3冊既読 さらに飽きたらず、解説類本が本作3冊目 翻訳本 こんなにも魅力な『星の王子さま』が素敵だと思う 「語り手の最後の絵と同様に、閉じられた本は悲しくも美しい風景であり、王子さま不在の、永遠の思い出に満たされた風景である。この本を再びひもとき、再読すること、それは過ぎ去った時を、逃れ去った歓びを再発見することである。『本の王子さま』は、読書一人一人に、子供にも大人にも、読み返したいという喉の渇きのようなものを与えるのであり、この渇きは年月を経ても消える事はない。」〜引用2019/08/23
donut
5
星の王子様を読み解きながら、文学批評理論を学ぶ本。コレージュ(フランスの中学校?)の生徒向けに作られた本らしく、非常に易しい。パラテクストとしての献辞を分析し、それが大人への警告を含んでいることを説明する箇所や、いくつかの章の冒頭に「知る」という動詞が配置されていることで、大人である語り手が王子様から学んでいくことを強調している(父子関係の逆転)とする箇所などは面白かった。後半では、ヘビやキツネといった動物がなぜその役割を担うことになったのかということが、シンボル事典を参照して分析されており、勉強になる。2019/04/29
シャンピニオン
3
なんとか読み終えた。これは、タイトル通り文学作品の読解法の入門書であった。なるほど色んな文学作品の捉え方としていわゆる勉強になった。 さて、星の王子さまだが、とらえどころがない、何度読んでもよくわからないのがなぜなのかがすこしわかったかな。2022/10/31