内容説明
今時の若者は変わったのか?友人関係、アイデンティティ、恋愛について心理学の知見を駆使し、最新データを示しながら、現代を生きる青年の3つのタイプを浮き彫りにする。
目次
「青年」とは何か?
第1部 関係の耐えられない軽さ―「希薄な人間関係」の虚像と実像(現代青年論が語る人づきあいの特徴;データが示す友だち関係―浮かびあがる三つのパターン)
第2部 失われた自己を求めて―「自分さがし」の虚像と実像(現代青年論が語る自己のあり方;データが示す現代青年の自己―友だち関係のタイプと自己のあり方)
第3部 恋と性愛の心理学(現代青年の恋愛模様;性と愛の歪み:援助交際とストーカー)
終章 現代青年のの虚像と実像―結びにかえて
著者等紹介
岡田努[オカダツトム]
1960年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。金沢大学文学部准教授、博士(心理学)学習院大学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ステビア
8
小著ながらいい感じ。2014/03/01
とーとろじい
4
筆者は研究の結果、若者のタイプに群れ志向群/関係回避群/個別関係群の三種類を見出し、若者論の取り上げる若者の対象が群れ志向群に偏っていることを指摘する。一対一の深い関係を持つ伝統的な青年(個別関係群)は現代でも存在しており、さらに群れる若者は従来モラルの欠如を非難されてきたが彼らは個別関係群よりも社会性があり健全な発達を辿る群である。様々な若者論を俯瞰し、自身の研究結果に基づいて偏見を取り除こうとする本書の姿勢は極めて学問的である。若者論の入門書としても適切な書になっている。2021/11/20