内容説明
舞台はフィリピン中部のビサヤ諸島。近代性によりもたらされたヘゲモニックな状況のなかで、不均衡な力の階層構造を、したたかに咀嚼しつつ生きる主体のあり方を照射する。
目次
海域世界における日常的実践
第1部 セブアノ漁民の生計戦略の展開(生計戦略の史的展開;生計戦略の今日的動態―季節移動の諸実践;島嶼間ネットワーク構築の諸実践―アモータオハン関係に注目して)
第2部 ビサヤ民俗社会における力の観念の諸相とアイデンティティの構築(個に内在する力としてのドゥガンと自己;ダコン・タウォと移動漁民―ダラギット町部エリートの力;守護聖人と移動漁民―ガフムの観念;移動の経験と口頭伝承の生成―精霊の力ガフムとアイデンティティ;海域世界の周縁を生きる人々―カラキの観念をめぐって)
日常的実践の人類学にむけて
著者等紹介
関恒樹[セキコウキ]
1968年東京都生まれ。立教大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員、アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン文化研究所客員研究員などを経て、広島大学大学院国際協力研究科助手。博士(文学)、文化人類学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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