内容説明
多文化共生社会の実現をめざして。多様な異文化接触の具体的事例を通して、外国語教育・研究の目的である「異文化インターフェイスする能力」の基盤を明らかにする。
目次
多文化共生のための異文化コミュニケーション
第1部 異文化共存時代の外国語学(認知言語学と異文化理解;異文化間語用論と外国語教育;多言語社会における国語教育 ほか)
第2部 異文化接触の歴史(自己と他者の贈与論―ギリシア人と異民族;キリシタン時代の翻訳;多文化社会の諸相―モンゴル時代(十三~十四世紀)の東アジア ほか)
第3部 異文化接触の現在(市を遊ぶ;「ボーダーレス」社会の誕生か―国境の壁と国民国家;現代中国音楽とのコミュニケーション ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アンゴ
1
★★★★★「不可解な異文化現象を不可解なままにして、理解の努力を怠るということは、お互いが人間であり、根本的に何も違いがないという当たり前の事実を無視する危険性がある。」第一部の認知言語学、語用論、国語や外国語教育、音声学などの観点が今の自分に有益だった。専門家が各章の主題に論理的な解説を展開し、引用文献も明記。 「文化」、「異文化理解」とは何か、キャッチコピーや流行語のような浮ついた論ではなく、明確に定義した理解が求められる。その意味で最終章の『幻想としての「異文化」』が警告している。2020/01/25
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