内容説明
現代社会の存立に不可欠な公的営為を根底から支えるものは何か。政治、経済、倫理あるいは環境、医療、科学技術、教育、家族、宗教、国家等の諸問題を“公共性”の観点から論じるとともに、西洋思想史上の主要な立場に即して“公共性”について考察する。
目次
「公共性」をめぐって何が争点であり、何が論点であるべきか
第1部 基礎理論的考察(「みんなのもの」は誰のもの?―公共性と経済;ニーズを論じ合うことは、どんな人間のつながりを創り出すのか―公共性と倫理;集合的アイデンティティは必要か―公共性と政治 ほか)
第2部 問題論的考察(誰がどのように環境問題に取り組むべきか―環境問題と公共性;医療空間において自己決定はどのような位置にあるのか―医療問題と公共性;学校を選べるようにすることを支えるものは何か―教育と公共性 ほか)
第3部 思想史的考察(いかにして善き市民を育てるか―プラトン、アリストテレスに即して;社会の絆を保障するものは何なのか―フランス啓蒙思想に即して;社会をつくる人間とはどのようなものか―イギリス社会哲学に即して ほか)
著者等紹介
安彦一恵[アビコカズヨシ]
1946年生。京都大学大学院博士課程修了。滋賀大学教育学部教授。専攻は現代倫理学
谷本光男[タニモトミツオ]
1951年生。龍谷大学大学院博士課程修了。龍谷大学文学部教授。専攻は倫理学
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