過去と記憶の社会学―自己論からの展開

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  • サイズ B6判/ページ数 215,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784790709749
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C3036

内容説明

書き換えられる過去、作り直される記憶。大きな物語からの解放、小さな物語の噴出―自己の同一性と過去の構築性とを論じつつ「現代社会とは何か」に答え、ミクロ‐マクロ問題の解法をも示唆した構想力豊かな力作。

目次

第1章 自己の構築と記憶―自己論から過去と記憶論へ
第2章 物語と自己の同一性―物語論と個人誌論の視点から
第3章 変身願望と過去の書き換え―転向やマインド・コントロールなどをめぐって
第4章 過去の構築と相互行為
第5章 「メンバーシップと記憶」論の構想―自己論からメンバーシップ論へ
第6章 集合的記憶と歴史―自己論との関連で
第7章 共同体的自己から状況的自己へ―ナルシス的自己論として
第8章 集合的過去の縮小と物語の私化

著者等紹介

片桐雅隆[カタギリマサタカ]
1948年東京生まれ。1978年東京都立大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士課程修了。現在、大阪市立大学、中京大学を経て、静岡大学人文学部教授。博士(文学)。専攻は社会学理論、自己論、現代社会論
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひつまぶし

4
依拠する議論が共通しているので、だいぶ理解できてきた。著者の関心は自己論にあり、それを様々な視点から検討してきたのだろう。大きな物語が衰退し、人々は小さな物語に分断されるととらえられがちだが、そもそも大きな物語の方こそ根拠のないものだったのではないか。認知能力のコントロールの限界を越えたフィクションから自由になると同時に、そのような存在としての人間のカテゴリーに担保できるような共通善を探っていくことがこれからの人類の課題なのではないか。デイヴィッド・グレーバーが着手していたのもそんな作業だったのだろう。2025/03/19

きいち

2
出来事、記憶、物語、アイデンティティ。世の中の大きな物語に頼れなくなった時代として今を捉えるとらえ方を含め、とても勉強になった。2011/04/07

ゆうき

0
私たちは現在から過去を観測しそれを現在に合わせて趣旨選択し、解釈し再構築し個人誌を作成している。その解釈では自分たちの周りを取り囲む時代や階層といった大きな物語に依存し、他者とのシンボリック相互行為の影響という「大きな物語」に私たちの記憶は支えられていた。しかし、資本主義社会や個人化が進みポストモダンにより機械的な外部の集合的記憶は薄れ、個人が歴史をつくり物語を生み出すことによって「大きな物語」が解体された後の「物語、歴史の個人化」が生まれた。しかし、それは物語が失われたのではなく、私的な物語が過去や記憶2012/05/27

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