内容説明
ふりがな新聞が拓いたメディアの近代。挿絵と総ふりがなにより、商品としての新聞と読書する大衆への道を見いだした小新聞(こしんぶん)の実証的研究。
目次
第1章 小新聞とは何か
第2章 小新聞と識字階層
第3章 小新聞の文体と言語空間
第4章 錦絵新聞から絵入り小新聞へ
第5章 初期小新聞にみる投書とコミュニケーション
第6章 明治初期の言論統制と小新聞の筆禍
第7章 『いろは新聞』にみる明治十年代半ばの小新聞
第8章 政党系小新聞にみる明治十年代後半における小新聞の変貌
第9章 大阪における小新聞の展開
第10章 小新聞の新たな試み―初期の『都新聞』と『やまと新聞』
終章 小新聞の終焉と大衆紙の始まり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rbyawa
1
i014、大衆文化研究にはそもそもまず外れはないものの、どの本もまあ大変そうだよなぁ、この本では識字率を調べた調査から準識字率という概念を打ち立ててその層に対してコミットしたのが「小新聞」という大衆新聞であってそのスタイルの変遷を外部の情報から類推してたんですが、その後、政党系小新聞が生まれて廃れ、最終的に大新聞と合体して境目がなくなるのだとか。これだけ足掛かりがしっかりしてるとこの後の研究が楽しみなので続いてて欲しいなぁ。しかし、よく考えると仮名垣魯文とその弟子たちの衰退と共に役目終えてないかな小新聞?2018/06/01