内容説明
『夜と霧』の著者として名高いV・E・フランクルの心理学・精神医学における業績の実践的可能性を探るとともに、その思想全体の持つ現代的意義を考察する。
目次
第1部 フランクルの心理学(ロゴセラピー―フランクルの遺産;鷹と鶏―ロゴセラピーの実践;スクールカウンセリングとフランクル ほか)
第2部 フランクルの哲学・思想(フランクルの人間観―フランクルにおける自己の理解;フランクルの人生論―フランクルとハシディズム;フランクルの宗教観―フランクルとエックハルト ほか)
第3部 フランクルと現代(現代の精神状況とその超克―フランクルを手がかりとして)
著者等紹介
山田邦男[ヤマダクニオ]
1941年生まれ。京都大学大学院博士課程中退。大阪府立大学総合科学部教授
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感想・レビュー
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なおた
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「死」や「病」といった避けられない事実の中で苦悩する人は、その運命を変えることはできないが、苦悩を直視しそれを自ら引き受けることによってその苦悩の運命を内面的に克服するように自らを整えるのである。フランクルは人間存在について「人間存在は、その最も深いところでは、また究極的には、受難(passion)であるということであり、またそれが人間の本質であること、つまり苦悩する者、ホモ・パティエンス(Homo Patiens)である」と述べている。(127頁)という文章が印象的だった。2020/02/20
こらっと
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自己実現とは自己の問題に関心を払うのではなく、外部の問題に没頭して我を忘れるという、課題中心の生き方。幸福と同じように、自己実現は意味充足結果。人間の持つ志向性の結果であるととらえ、真の自己は自己超越によって実現されるというのがフランクルの立場である。2010/01/15




