内容説明
変転する現代社会が生み出す不安。「個の尊厳」「かけがえのなさ」を守り、発展させていく鍵として、「終末」の地平を展望する。
目次
第1部 終末思想の基盤(宗教と終末思想;聖書と終末思想)
第2部 キリスト教思想史と終末論の展開(キリスト教終末論の誕生;西欧近代と終末思想)
第3部 「神の国」の諸相―黙示文学と知恵思想の交錯(イエスと「神の国」;歴史の中の「神の国」)
第4部 終末論の未来―生態学的終末論への道(生態学的危機とキリスト教;新たな神学的潮流)
むすび 近未来社会への終末論的着地点(時代を映し出す鏡としての終末論;終末論の可能性と展望)
著者等紹介
芦名定道[アシナサダミチ]
1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程(キリスト教学)単位取得退学。京都大学博士(文学)。現在、京都大学大学院文学研究科助教授(キリスト教学担当)
小原克博[コハラカツヒロ]
1965年生まれ。同志社大学大学院神学研究科博士課程修了。博士(神学)。現在、同志社大学神学部助教授
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感想・レビュー
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Guo Immanuel
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終末論は学部の卒業論文を書いた時気が付いた領域で、西暦1世紀から4世紀にかけてしばしば発生したキリスト教への迫害事件によって大規模の殉教現象も現れました、その中で主動的な殉教という現象は文献にも常に見つけられるけれども、教会はこの行為に神学的な解釈や弁明をはっきりしていなかった。新興宗教の自殺事件を論じる時はこのキリスト教的な挙動を忘れないほうがいいと思いまして、そこで終末論はどのように解釈されたか、さらに異なった解釈によりいかなる結果は生ずるか、これらの点に気づかなければならない。2014/09/03