内容説明
男女共同参画社会をめざして。転換期に立つ現代社会をどう変えていくのか。ジェンダーに敏感な視点に立ち、現状のジェンダー・バイアス是正を目的とする、学際的かつ実践的な学問としてのジェンダー学からの考察。
目次
1 ジェンダー学の可能性(文化の変容とジェンダー学・移り変わる日本文化のジェンダー観;女性学の可能性・イギリスにおける女性学の流れ;男性学の可能性・男らしさ、ジェンダーおよび暴力の問題―“ジェンダー研究導入”のために ほか)
2 暮らしの中のジェンダー学(男性の家庭役割が変わるとき;父子世帯と社会福祉―「男性問題」としてのジェンダー;高齢者介護を家庭から社会へ ほか)
3 社会の中のジェンダー学(規制緩和と女性労働;変わる中国の労働問題とジェンダー;経済変動と男性労働者 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tokujing
1
様々な研究者がそれぞれの専門分野におけるジェンダー問題を考察しているので、「ジェンダー学」という学問が成立しているとは思えない。これは筆者のひとりも記している通り、ジェンダー研究は非常に巨大な問題系であるにも関わらず、政治学や社会学など別々の学問領域においてバラバラに研究が行われるため、相互の連携が取りづらく、なかなか一つの学問領域として成立しないという問題は重要であると思う。ジェンダーの問題はそもそもが非常に複雑だが、ジェンダーに対する体系的な理解のためのジェンダー理論というものが必要であるとおもう。2013/05/03
giant_nobita
0
10年近く前の本だから今とは状況は違うんだろうけど、海外についてのジェンダー研究が載っていて興味深かった。2012/05/12
Tomomi Hori
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男性学の視点。メンズリブ。育メンだって、既存のジェンダー秩序の犠牲者??2012/02/15
くり坊
0
「フェミニズム(女性学)」と「ジェンダー学」という用語の区別が分からなくて入門書を手に取りました。本書には「ジェンダーに敏感な視点に立って、現状のジェンダー・バイアスを是正することを目的とする、学際的かつ実践的な学問のこと」と「ジェンダー学」を定義している箇所があり(2頁)、それに続いて「ジェンダー・バイアス」について説明があり(3頁)...理解が進みました。参考文献に『ジェンダーで学ぶ社会学』(世界思想社)という本が挙げられていたので、そちらに読み進めて行こうと思います。2020/06/11