新潮文庫<br> 東条英機 暗殺の夏

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新潮文庫
東条英機 暗殺の夏

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  • サイズ 文庫判/ページ数 683p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101164113
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

昭和19年6月2日夕―岡田啓介、米内光政、未次信正の3人の海軍予備役大将が密議し、戦争継続一本槍の東条首相を「排除」することで合意する。本書はこの日に筆を起こし、東条内閣が崩壊するまでの約50日間を日録風に構成したノンフィクションである。日増しに敗戦の色濃くなる戦局を背景に、次第に熟していく東条暗殺計画と、これに対抗する東条の側との闘争をスリリングに追う。

目次

秘密会談
最高権力者
盗聴
貴公子たち
黒い将校
今暁敵ハ上陸セリ
炉辺談話
夜間強襲
マリアナの七面鳥撃ち
警戒警報
バカの四乗なり
叛乱
平家蛍
天皇の亡命
待伏せ
つばぜりあい
怨みの一言
検束
大命降下〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

17
◎一ヶ月半の話を凝縮して、事実関係を押さえているように思える筆で書かれています。絶対国防圏があっさり抜かれ、日本として絶望的状況のなか、何とかしなければならないという臨場感と妥協が伝わりました。前線行きを懲罰に使っていたことは、軍や重臣として戦勝は望めなくなっていることを表していると感じ、口だけ必勝の信念と言っている上層部に率いられている国民の悲哀を思いました。2020/12/21

ミノカサゴ134

3
第二次世界大戦における東條内閣の瓦解の日から数ヶ月遡ったところから、天皇と内閣と軍人トップたちが、何を考えどう動いたのかを、ドキュメンタリー風に追った物語。気の毒なのは、最前線に送り込まれた何百万という兵士達と正しい戦況を知らされなかった国民だ。結果として、日本という国が滅びなくて、本当によかったと思う。しかし、人間は愚かな生き物だから、何十年かの「喉元」を過ぎて「熱さ」を忘れ始めようとしている気がする。熱に侵された狂信的な人は、いまも組織や世の中のあちこちにいる(と感じる)。2018/01/25

sprexphkr138

2
読み始めると引き込まれ盆休みの3日間で読む。細かな史実を緻密に整理しまとめ上げたもので、安物の小説以上にスリリングである。天皇をバックに権力を我が物にする東條英機およびその取巻き勢力と反東條勢力との権力闘争だが、特に取り巻き連中の独善かつ短絡的なものの考え方には虫酸が走る。よくもこんな連中が国を動かしていたとあきれる。当時は軍人がエリートだったのだろうが、現在と比べるとこのような偏狭な人物は・・・同じように政界にいるなぁ。昔も今も広い視野と広い度量を兼ね備えた人物に国の指導者になってもらいたいものである。2016/08/16

moonanddai

1
陸軍と海軍の確執。テロ。弾圧。そして独善。すべての最悪が凝縮した時代…。2012/06/22

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