内容説明
家族単位から個人単位へ。差別的な社会秩序の変革を目標に、われわれの常識、法律・福祉など具体的諸制度を考察する。男女両性にとっての解放論。
目次
1章 まず感覚的な全体像から
2章 家族単位のどこが差別的か
3章 どうすべきか―カップル単位からシングル単位へ
4章 家族単位 シングル単位概念がなぜ重要か―フェミニズムの説得力や政策提起力を高めるアプローチ
5章 フェミニズムの正当性の哲学的・思想的考察
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
19
読友さんの紹介で読んでみた。この著者は労働問題、女性政策などを専門に研究している社会学者である。「はじめに」では、空理空論でなく現実を踏まえた上で、現代社会の生き辛さを解決する方法を追究していると明言。一つの提案が「シングル単位」ということだ。私たちが、いかに「家族単位」の制度や秩序や慣習にとらわれて生きているかを示してくれる。同時期に読んだ「『逃げ恥』にみる結婚の経済学」と少し重なる面があった。もう少しこの著者の考えを知りたい。2019/06/29
aof
3
90年代に書かれていることに驚き。そこから20年、少しはシングル単位の社会になりつつあるだろうか。 社会構造をぎっちり文章化したうえで、展開されている理論は、作者のこれを単なる机上の空論で終わらせないという強い意志を感じた。 自己決定という言葉は嫌いだけど、確かに家族論に飲み込まれて自己決定できない個人においては必要な言葉なのかも。2018/07/31
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