内容説明
国際化著しい現代日本の礎を築きあげた作家たちのロマンと苦悩―。その多様な葛藤の軌跡をたどる。
目次
西洋体験の種種相
森鴎外とドイツ―「独逸日記」の変容
夏目漱石とイギリス―近代文明と「文学」の概念
永井荷風とアメリカ・フランス―ボードレール「旅」に触れて
有島武郎とアメリカ―混沌という空間からの出発
二葉亭四迷とロシア―長谷川辰之助として死す
島崎藤村のフランス体験―『仏蘭西だより』を中心に
蘆花徳冨健次郎夫妻の世界一周―『日本から日本へ』
石川達三のブラジル体験―棄てられる人々
武者小路実篤とドイツ―『大東亜戦争私感』への道
尾崎行雄の外遊―〈歌〉による抵抗へ
三島由紀夫とギリシア―現実へと還る道
堀田善衛とスペイン―人間存在への凝視