内容説明
異なる慣習、異なる風俗、異なる顔立ち、異なる言語―われわれとは違う価値観にしたがって生きている人びとを理解し、自らをとらえ直すための知的地平を開く。地球時代の異文化探訪。
目次
序章 文化人類学を学ぶということ
1 文化人類学の方法と視点(対象としての人間社会;方法としてのフィールドワーク;パラダイムとしての人類学理論)
2 多様な人間社会―ライフスタイルから(狩猟採集民―サン社会;牧畜民―フルベ社会;農耕民;都市民)
3 多様な人間関係―文化人類学の主題と理解(男と女―ジェンダー;大人と子供―通過儀礼;身内とよそ者―親族;贈与と交換―経済活動;まつりとまつりごと―宗教と権力;文化の森に近づく人のために)
民族誌を読む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
40
入門書として読んだけれど、かなり核心に迫っている印象を受け、興味深かった。そのひとが生まれた国、言語や教育、文化によって常識そのものが変わってしまう。折にふれ再読したい。2015/03/18
うえ
5
「エヴァンズ=プリチャードの主張は、歴史的視点の復活や抽象化の必要性など多岐にわたる…彼は、1950年代初頭に発表される一連の理論的考察において、社会を自然体系とみて、そこに自然科学に匹敵するような普遍的な法則を発見しようとすることはあまり意味がないと考える。そのかわり、社会を象徴体系として研究し、解釈の対象にするということを強調する。このことは、そこに住む人びとがどのように自分たちの社会をとらえているのか、どのような形で意味のある体系としてみなしているのかということを探ることである」2020/05/22
田蛙澄
3
文化人類学の概説書は以前にも読んだことがあるが、そのときは異文化に対するエキゾチックな興味が先行していたのだが、今回はむしろ参与観察やフィールドワークといった方法論的な部分が気になっていたので、そのあたりを興味深く読んだ。対象の文化や共同体に参加することで対象の流儀を身につけつつ、自分の文化とも対象の文化とも一歩離れた視点から、対象を分析するという視点はとても興味深いと思う。あとは文化相対主義の対立構造におけるコウモリ的な無力さについて自覚的な話があったのもよかった。2015/09/19
クロスリバーゴリラ
1
文化人類学の概説書として、民族誌という具体例をベースに各テーマについて解説が進められていくので分かりやすくなっているかなと思った。巻末に附録のようなもので有名な民族誌についての簡単な説明もあり読書案内として使えるかなと思う。2023/07/29
Hanako
1
ちょっと古いなと思う内容もあるが、まあ。2017/12/01