Sekaishiso seminar<br> 古今集の世界 - 伝授と享受

Sekaishiso seminar
古今集の世界 - 伝授と享受

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  • サイズ B6判/ページ数 248p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784790702924
  • NDC分類 911.135
  • Cコード C3391

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

149
六条家の考証歌学は実作から遊離し、王朝の美を模索したのは御子左家だが、定家の「顯注密勘」や順徳院の「八雲御抄」は六条派の価値も認め院政期歌壇の集大成を目ざした。この頃の註釈は歌道という大きな目標を見失わなかった。口伝が厳密なものになるのは御子左家が分裂し偽書が現れてからだ。諸流入り乱れるうちに歌とは関係ない正当争いが生じた。やがて歌道に入り込んできた神道の要素も取り入れつつ、守るものを守った幽斎の役割は大きい。権威ある堂上歌学と、貞徳を経て広まる地下歌学の種を播いた幽斎の〝繋ぐという創造性〟を再認識した。2024/08/25

山がち

3
古今伝授に関する比較的一般向けの本としてはおそらく唯一のものであり、加えて研究書としても良質な論文がいくつもあり非常に優れた一冊と言える。これでこの値段なのだから相当安いと言わざるを得ない。古今伝授を東常縁以前の古今集注釈から丁寧に起こしていくだけではなく、古今伝授そのものも興味深い論を展開している。その権威づけのために古今伝授は為家由来であると常縁と宗祇は示そうとしたにもかかわらず、結局は常縁から始まったものと捉えられてしまったこと、帆細川幽斎は御所伝授を行う時は、開城騒動にも関わらず簡単だったなどだ。2014/05/14

IsaRian

0
古今伝授の中の和歌の真髄とは何ぞやを知りたいと思い本書を手にした。期待して読んだのだが、正直がっかりだ。古今伝授の歴史、関わった人物たち、各流派間の相違、伝授の方法などといった外形的な評論に終始しており、肝心の中身についてはほとんど触れられていない。これではまるで食べ物について調理の仕方や材料、色や形について解説しておきながら、どのような味がするのか食べもせず終わるようなものだ。先の大戦の敗戦により和歌が生活からほとんど消え去ってしまった。唯物史観に染まった学者共に和歌の精神を語ってもらうのは無理な話か。2025/01/06

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