内容説明
日蓮宗の名刹誕生寺に日蓮聖人の供養塔として祀られる石造三層塔の謎とルーツを探る。
目次
第1章 概要
第2章 誕生寺三層塔の概観と構造
第3章 類例を追って
第4章 材石と中世石工について
第5章 本塔将来の背景
第6章 九州千葉氏の動向と九州地方における日蓮宗の展開
第7章 中世海運事情と安房へのルート
著者等紹介
早川正司[ハヤカワマサシ]
昭和21年千葉県白浜町(現南房総市)生まれ。館山信用金庫勤務を経て、現在、館山市立博物館(分館八犬伝博物館)勤務。千葉県文化財保護協会常任理事、房総石造文化財研究会副会長、南房総市文化財審議会委員、千葉歴史学会、日本石仏協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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wil_397
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誕生寺墓地の三層塔は14世紀頃のもので、石材は阿蘇系の熔結凝灰岩、様式も九州の層塔などと類似しており、九州で作られたものが海路によって移送されたと推測する。千葉氏は元寇に対処するため頼胤が下向、二代後の胤貞は千葉の中山法華経寺二世を外護、三世を猶子にして九州に日蓮宗を持ち込んだ。胤貞は肥前と下総を往復していたので九州で作った層塔を移送するのに疑問が生じる。胤貞の弟であり養子となった次代胤泰は肥前に土着した最初の千葉氏で、彼が日蓮聖人百遠忌(永徳元年=1381)に、日蓮生誕の聖地に献納したのではないかという2023/12/22