感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoru
67
今年の迢空賞受賞作。2015年から2020年の短歌を集めた。「狭い身めぐりの歌」と著者の花山多佳子氏は謙遜するがコロナ禍から次第に変容する日本を感じる。〈八百万の神のごとしも物みなにAI宿りて采配を振る〉〈中途採用試験に臨む日々にして息子は養命酒をラッパ飲みする〉〈よく晴れて木枯らし一番吹いた日に米大統領選トランプ勝利す〉〈貧困の書き込みあればしつこくしつこく叩く心理の出どころを思ふ〉〈「悲の器」の時代は遥かとなりにけり「苦の器」なる人の多しも〉〈老いるとはどこかがつねに痛むこと安らぎは死と思へるまでに〉2025/07/18
チェアー
7
老い、病、家族、花がテーマの歌集。 わかりやすい。続けて読んでいると、彼女の日常の時間の流れを一緒にたどっている気になる。 老いても発見はある。 記憶をたどっても、新たに感じる。 それは老いたものの特権だ。 2024/12/19