目次
『水村』(全篇)(田園詩;みぞれ降る山 ほか)
自選歌集(『原始の響き』(抄)
『夢死』(抄) ほか)
歌論・エッセイ(わが桜の歌;大野誠夫―その絵画性 ほか)
解説(妖しく異様な生の繁茂(小池光)
今日の秀歌(細井剛) ほか)
著者等紹介
松平修文[マツダイラシュウブン]
昭和20年12月21日、北海道北見市に生まれる。札幌西高等学校を経て東京藝術大学美術学部及び同大美術研究科大学院に学ぶ。卒業後美術史家、画家として活動し現在にいたる。昭和43年より歌人大野誠夫に師事し、大野の主宰する「作風」を編集。冨士田元彦を中心に刊行されたアンソロジー「現代短歌’74」「現代短歌’78」に参加。昭和54年より56年の廃刊まで瀧耕作、藤森益弘、小池光と共に歌誌「アルカディア」を編集。昭和58年、青梅市立美術館の開設準備を依頼され、開館後も同館に勤務。昭和59年、大野の死により「作風」を退会し、以後無所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中 綾
2
世紀末の庭 少女らは梯子を掛けニセアカシヤの花房を摘む / 松平修文 / 6月に咲くニセアカシヤの白い花は、香りもよく、ミツバチの蜜源としても知られている。その芳香にふさわしい「少女ら」が、梯子【はしご】を上って「花房を摘む」姿は、終末感ではなく、どこまでも幻惑的な美が感じられる。北見市生まれの作者は、東京で日本画家として活躍し、5冊の歌集もある。昨年秋、惜しまれつつ病没。享年71。(2018年6月19日掲載) 2018/06/19
あきこ
0
[花なのか何なのかとそのかたまりを摑めば「悪意だよ」とそのかたまりが言ふ] [私はかならず戻つて来るから犬よ 待つてゐなさい、穴でも掘つてゐなさい] [もう一度見せてよ 赤き蝶黒き蝶群るるきみの背のはなばたけ]2014/07/06