感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sa-ki
2
懐妊、臨月、帝王切開で出産、子どもの病気・・・1人の女性が母になっていく、その心情を歌で辿ることができる。2014/07/17
yumicomachi
1
2001年刊行の第二歌集。ながらみ現代短歌賞受賞。あとがきにあるように夜の歌が多いが、椅子の歌も目についた。〈サンダルにつまさきのせて坐る椅子行きたいところは行けないところ〉〈逢いたいとおもう脳(なずき)に出口なくあかねさしたる椅子をみている〉〈だれもわが血をうばうなと見ひらけば廊下の果てに木の椅子があり〉〈悔しらず空をあおぎて抱かれいし三本足の椅子のごときわれ〉「椅子」は身動きできない不自由さや時に受身であらざるをえないことの象徴かもしれない。2018/04/09
Noy
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だれといてもつよくなるしかないわれの枝が真夏の驟雨に濡れる (p.101) 前半は恋の歌、後半は出産〜育児の歌という構成 愛憎込み入った感情と湿度を持ちつつも強く生きていく女性の姿 何度も読み直したい一冊 すさまじく横顔てらす陽よわれは忘れたひとを憶えつづける (p.194.)2022/07/08