感想・レビュー
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「さんざめき杳く流るる木枯らしの中を手負ひのごと帰り来ぬ」「死にてなほ幼愚の貌をはづかしむ冬の花ぎつしりと棺に満たし」「水位より低き船室に降りながら冒涜をなすが如きおそれあり」「野の花を編むわが上に歳月は傘下の翳のごときを置けり」「わが青年よ若かりし日のわれもまた天道を焦げ落ちたる雲雀」「睡りより死に移りゆく境界をぼろぼろと蝶は樹下にこぼれぬ」「誰か止めねばとどまらざらん雨夜なれば若葉は菌のごとく増えつつ」「木の鴉・地の雀・われ、夕映を浴びたる者は鎮まりがたし」2012/12/25