出版社内容情報
おいしそうなシチューのにおいをかぎつけた きんじょのひとたちが、つぎつぎにアーモのアパートにやってきた。そのひとりひとりに きまえよくシチューを わけてあげたのだけど……。アーモ、そんなにあげちゃって だいじょうぶ?
作者オーゲ・モーラの両親はナイジェリア出身で、イボ語が母語でした。「アーモ」は「女王」という意味です。オーゲにとっては「おばあちゃん」をよぶときのことばでした。おばあちゃんは、大きなお鍋をまぜながら、ラジオの音楽に合わせて楽しそうに体を揺らしていたそうです。お鍋の中身はたいていシチュー。夕食の時に近所のひとが来れば、一緒にいかがと誘いました。そうした思いやりや愛にみちた精神が、この本のもとになりました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
47
坊や、お巡りさん、ホットドッグやさんなどなど…みんな、特製とろとろシチューの匂いにつられてアーモ(ナイジェリア、イボ語で「女王」の意。作者はおばあちゃんのことをアーモと呼んでいたそう。)の家にやって来る!アーモはそんなみんなにシチューのおすそわけ。でも、アーモがいざ食べようとしたらシチューが…!!!いいものは、みんなで分け合って愉しむ♡なんて温かい!シチューのあたたかさが恋しくなる秋冬に読みたい絵本です。2021/06/21
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
41
見返りを求めるのでなく、分け与えることが出来るアーモの姿が素敵でした。2022/04/16
anne@灯れ松明の火
36
新着棚で。アーモがシチューを煮込んでいると、美味しそうな匂いが外にまで。すると、ドアをノックする音がして……。展開やオチは予想がつくけれど、それがかえって良かったかも。意外な展開やオチがいいとは限らないね。切り紙を貼った絵がセンス良く、オシャレ。アーモは作者のおばあちゃんがモデルらしい。おばあちゃんの思いやりや愛にみちた精神が、この本のもとになったそうだ。寒くなる季節、心が温まるね。シチューをつくって、身体も温まろう!2020/10/21
たまきら
25
うわあ、どんなシチューなんだろう?みんなが一つのお鍋で作られている食べ物をシェアしている様子にわくわく。ああ、こんなおばあちゃんになりたいなあ!…と言ったら、先に読んでた娘さんが「もうこんなかんじだよ」…え…?2020/11/27
ヒラP@ehon.gohon
24
おしゃれな貼り絵絵本にうっとりしてしまいました。そしてその貼り絵の醸し出すシチューのなんとも言えない良い香りに、自分も誘われるような絵本です。 アーモ(女王というイボ語)にも、思いを込めて、作者がおばあさんのシチューがどんなに好きだったか、誰にでも愛される人だったか、思い起こさせる内容です。 人に対する施しは、感謝をもって自分に帰ってくる、「情けは人のためならず」ですね。 女性のお巡りさんが印象的です。描かれているのはナイジェリアの街並みでしょうか。2020/10/25