出版社内容情報
戦争がやってきた日、窓辺には花が咲き、お父さんは弟に子もり歌をうたっていた。午前中の授業で、火山のことを勉強した。おたまじゃくしの歌をうたった。鳥の絵をかいた。そして、ランチタイムのすぐあとに戦争がやってきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃちゃ
109
「せんそう」は、私が座る椅子を奪った。大切なあたたかい家庭も、友達たちと過ごす学校も、粉々に破壊され私の戻る場所はない。「せんそう」は私を見知らぬ街へと追いやり、私の心まで占領した…。戦争の意味も分からずに、突然幸せな日常を奪われ故郷を追われた難民の子どもたち。本作は、子どもたちが経験する「せんそう」の悲しい実態を描く。けれど、ラストには救いと希望が。そっと差し出された椅子。私の居場所、私の存在を受け入れてくれる人々。国や地域を超え難民の子どもたちを守り、連帯の手を差し伸べることの大切さを伝える絵本だ。2022/05/31
みかん🍊
98
普通に幸せな日常を送ってたある日突然戦争はやってきて、学校も家も家族も全部奪って行ってしまった、ひとりぼっちになった少女は居場所がない、それが難民である、彼女に椅子を差し出したのは子供達、恥ずかしながら#3000chairsの事を知らなかった、世界中の全ての子供達が将来に希望が持てる様に。2020/08/30
seacalf
85
連日の痛ましい報道に、こんな惨劇が許されていいのかと今更ながら横面を叩かれたようなショックを受けているが、ウクライナに限らず世界中にはこの絵本の少女のように苦しんでいる子供達がいる。春麗かな日にぼーっと桜を愛でているだけではなく、彼の地の人々を思って胸を痛めるだけではなく、自分に出来ることは何か。翻訳した長友恵子さんのあとがきにある言葉が背中を押してくれる。『この絵本を読んだことが、あなたの支援の第一歩になります。情報を集め、考えを深め、さらにもう一歩ふみだしましょう』2022/03/31
とよぽん
73
表紙の椅子がどんな意味を持っているのか、読み終わってようやく理解できた。タイトルにある「せんそう」って、いつの? 「やってきた」って、どこに? そんな疑問を抱えながら読み始めた。ひとりぼっちで避難している子供の難民が大勢いること。避難所の学校も先生も不足していて、学校に通えている子供は約半数だという。#3000chairs のことを知らなかった。やはり日本は「難民」問題を他人事と感じているのだと再確認。私たちにできることは何か?2020/08/18
oldman獺祭魚翁
62
図書館 ある方の書評が目に止まり、読むことになった。 幸せな日々を過ごしていた少女のもとに、ある日突然せんそうがやってきた。 せんそうが居ないところへ、少女は進む。途中学校へ行くと、先生から「あなたの座るいすが無い」と追い返される。この本は2016年英国政府が3000人の孤児の難民の避難所収容を拒否したことと、同時期難民の女の子が「座る椅子が無い」という理由で難民の女の子が入学を断られたことで、書かれた詩を元にしています。2020/09/26